ゆるゆるリュッカー

リュックとカメラと旅が好きな大阪のアラサー。世界一周してぇ

イタリア旅行記 その十五


マナローラの街並みを探索すべく、歩き回った。ほとんどが路地裏のような細い通路でできており、冒険心をくすぐられた。


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路地裏のような道を歩いていくと村の一番端っこにある広場に出た。なんとまぁ、入り組んだ道だったので秘密の場所のような感じがした。それも僕だけの貸し切りだ。他には誰もいない。ゲームだと隠し宝箱でもありそうな場所だ。

それもロマンチックな感じだった……またもなぜ僕は男一人アラサーで来てしまったのか…と……


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 この小さな広場から駅が見えた。

本当に小さくおもちゃのようで、かわいかった。それも海岸沿いにあり日本にはないような駅だった。駅員をしている僕は特に職場の汚い駅と比較してしまい、苦笑いになった。


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反対側を見ると、そこには海があった。本当に空も海も青。青しかなく、本当に青だった。何を書いているのか自分でもよくわからないが…

僕は山の方に住んでいるので海が好きなのだ。


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さすがに一番村の端っこまできたので、そろそろ村の中心まで戻ることにした。

海岸の崖に作られている村なので階段の段差がすごい激しい。息が上がりだし喉が渇いた……

村の中心部まで戻ると、やはり人が多かった。

 
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今度は反対側に行こう。そう思い、海岸沿いに歩き出した。


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この道をずっとあるき続けた。また村の中心から少し離れていくのだが、このきれいな景色をもっとみたかった。

 

マナローラと言えば、あまり馴染みがないのかもしれないが…

この下の写真の様な構図で紹介されているのを目にする。


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まぁそういう僕も、この景色を見たときに気づいたのだが……。

 

海岸沿いの道を歩き続けると、ふとあることを思い出した。

僕はポケモンGoというスマートホンのアプリゲームをやっている。このゲームについて詳しくは書かないが、ヨーロッパ限定のポケモンを友達から捕まえて来てほしいと頼まれていたのだ。

早速起動させるが大したポケモンは近辺にいなかった。

しかし、これも思い出だと一枚写真に収めておいた。巨大コイキングだな。
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ある程度歩き回ったので村の中心部に戻ることにした。

 


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海岸沿いの道から村の中心街まで戻ってきた。

あまりお腹も空いていなかったのだがイタリアに来てここまで来たのだから何か口にしないともったいない!という大阪人の性格が出たのか、何か漁村らしい食べ物を食べようと思った。

 


イタリア旅行記 その十四


マナローラに降りた僕は人の多さに驚いた。こんな田舎になかなかの人が集まっている。


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海水浴している人も多くおり、岩場にシートを引いて日光浴している人がここにもいた。

そもそもここはそういう海水浴目的でくる近所の人が多いのかもしれない。

 

船着き場から街なかへ向かう階段からあるものが見えた。

人が岩の上に立ち飛び込みをしていた。なかなかの高さがあり十メートルはあったと思う。


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男女の若者が飛び込みをしており……

バッシャーン!という音が聞こえてきた。

すると隣にいたおばちゃんが「マンマミーヤ!」と声に出していた。

僕はマリオ以外がこの言葉を口にしているのを初めて耳にして少しおかしく思い笑ってしまった。

マンマミーヤとはイタリア語で「なんてこった!」とかそういうたぐいの言葉だそうだ。

オーマイガーと似ている。

 

マナローラを歩いていると、先程の村よりも店が多く並んでおり、お土産屋もたくさんあった。よくわからないものもたくさん売っており、僕の心をワクワクさせた。
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ガイドさんが

「ここで昼食時間含めた自由時間にします。どうしますか?一緒にご飯食べに行きますか?」

と尋ねてきた。

 

悩んだのだが、昼食の店を探してボッタクリの店にあってしまったら困る…

値段の相場もわからないのでここはガイドさんにお任せすることにした。

完全に、この海外旅行にビビり尻込みしてしまっていた。冒険心を忘れてしまったのかもしれない。

 

ガイドさんはツアーでマナローラに何度も来ているそうなので、海鮮のパスタの店に連れて行ってもらった。

屋外に客席があり、そこでたべることにした。
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なかなかオシャレだった。

空席が多くあり、落ち着いた雰囲気の店だった。こんなところ…男が一人で来るところなのだろうか?普通は新婚旅行や友達とか彼女と来る所だろう…と自分に心の中でツッコミを入れていた。

 

そこで二人で四人席に座っていたのだが、男の中々ごつい店員さんがこちらまで近づき何か話しかけてきた。僕はイタリア語が読めないので、ガイドさんに適当に美味しいのをお願いした。

ガイドさんと店員が何度か言葉を往復させると、男の店員は去っていった。

 

どうやら注文のやり取りだけでなく

「お前らは二人なんだから四人席ではなく二人席に座れ」と言われたそうだ。

 

僕らは席を移動し二人席に腰掛けて料理を待った。

まずはパンが来た。セットメニューなのか何なのかは知らないが、僕らの席に置かれたということは口にしてもいいということなのだろう。

しかしなかなかのパサパサ感だった。水分がまるで無い。味としては悪くはなかったのだが、これだけではきつい。


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更に十分ほど待つとパスタが来た。

海鮮入りのパスタだ。

単刀直入に書こう。普通の味だった。

なんてことはない…ただのコンビニなどで売っているパスタと同じだ。

不味くも美味くもない……まぁそこそこだ。
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しかし僕が気になったのは料理ではなく…

ハエだ。

漁村だからか、ハエがかなり飛んでいた。

食べているときにハエが飛んでいるのはあまりよろしくない。何度ハエを追い返すように手を降ったのか覚えていないぐらいだ。

 

さっさと食べ終え、ガイドさんはこの店でもう少し過ごすということで僕はここから本当の一人マナローラ観光に出発した。

集合時間まで一時間半ほどあったので、ゆっくり村の全体を見て周りシャッターを切ることにした。


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季節は夏。行ったのが9月だったので中々の暑さだった。汗まではかかないが何か口にしたいと思っていた。

ヴェネツィアでも口にしたのだが、ジェラート屋があったので、買うことにした。日本円で300円ぐらいだったと思う。小さい民家の店だ。こういう店のほうが僕的には雰囲気が良くて買いたくなるのだ。

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僕はジェラートを店の前で地べたに座り込み食べることにした。味はレモン。甘ったるいものよりもフルーツ系のサッパリしたものを口にしたかったのだ。

味はなかなかのものだった。確かにレモンなのだが、甘酸っぱいと言った方がいい。程よい甘さだった。

すぐに平らげると僕はすぐにまたカメラを構えマナローラを歩き始めた。

 


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街は坂道となっており、海岸にあった船着き場からどんどん坂道を登っていった。

水車があったり、崖沿いに建っている家は本当に歴史を感じさせた。


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坂道を登り詰めるとそこには街から海を一望できた。僕はそこで足を止め、ゆっくりと時間が過ぎるのを楽しんだ。

(といってもツアーの時間があるのでそこまで長いはしなかったが…)


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僕はマナローラを満喫するためにさらに路地裏を歩き回ることにした。

 

 

イタリア旅行記 その十三


書き忘れていたが、このツアーは夕方まで三つの村を周る。チンクエ・テッレとは五つの村からなる名前なのだ。

 

一つ目「リオマッジョーレ」

二つ目「マナローラ」

三つ目「ヴェルナッツァ」

この順番で周る予定だ。

といっても僕的にはどんなところに行くにしてもありがたい。このイタリア旅行の目的の一つは「田舎を歩く」ことなのだから。

 

一つ目の村、リオマッジョーレについた。

駅はトンネルの中にあり、多くの人が降りた。やはり観光地だけのことはある。
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このトンネルを抜け、改札を抜けるとゲームに出てきそうな村が現れた。

カラフルな家。

採れたての魚や果物が売っている。

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僕は言葉には出さなかったが、すごい感動に包まれていた。

そうだ!これこそが僕の求めていた海外旅行なのだ。こういった田舎のほのぼのした場所にいきたかったのだ!

本当に良かった。僕はこの雰囲気を求めていたのだ。

おそろく子供のとき、熱中したドラゴンクエストなどのゲームの影響かもしれない。

 

……とこんなことを考えているとガイドさんが

「大変申し訳ないんですが、次のマナローラという村まで船で向かうのですが出発まであと二十分ほどしかないんですよ…私はチケットを購入してくるのでこの辺りを見ていてください」

 

僕的にはもう少しこの街を見て感動に浸りたかったのだが仕方ない。ガイドさんに従おう。

 

この村はたった一本道でできている村なので、幸いあまり見るものもなかった。

駅からの一本道の突き当りには海が見えた。
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ヨーロッパの海と言えば、僕の中で勝手な妄想でエメラルドグリーンのきれいなものだと思っていたが、実際は日本のものと大差なかった。

水着になって泳いでいる人、日光浴している人、その人たちを見ている人。

僕もその中の一人だった。

 


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本当に窓から洗濯物を干していた。

ファンタジーの世界だけかと思っていたが…

 


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やはり何より良かったのが雲ひとつない青空だということだ。ヴェネツィアでもそうだったが、本当に雲ひとつない空でよかった。 もし雨でも降ろうものならロストバゲージにもあう僕の運が相当悪いことなのだろう。

もしくはロストバゲージにあったぶん、神様がご褒美をくれたのかもしれない。そう思うことにする。

 


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本当にいい街並みだ……

強いて言うなら人がもっと少ない方が田舎らしい。観光地だけあって道は人で埋め尽くされていた。

 

そして僕のしみじみと浸っていた田舎鑑賞は船の時間をあっという間に感じさせた。

船着き場につき、ガイドさんと合流し船に乗り込んだ。

 

「さよなら……えっ〜と………一つ目の村」

 

村の名前などどうでもよかったという言い訳をしておこう。次の村へのわくわくした心を抑えきれなかったのだ。

 

船は客船だったが、そこまで大きいものではなく一度に数十人乗せる程度だった。

ガイドさんが船の搭乗口でチケットを見せ、イタリア語でゆうちょうに会話する。(ガイドさんにゆうちょうに…なんて失礼かもしれないが……)

 

船は三階でできており、僕たちは最上階の前の方の席に座った。

船はすぐに出発し二つ目の街へ向かった。


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アジア系の顔はほとんど乗っておらず、白人ばかりが乗っていた。

ガイドさんに聞いた話なのだが、イタリアではアジア系の顔をしていると中国人と見間違えられることが多いそうだ。

中国人はイタリア人からみると、マナーが悪く評価がかなり低い。

それに比べ日本人はマナーがよく礼儀正しいので評価が高いそうだ。

 なので自分が日本人であることを説明すると途端に態度を変えてくることがあるそうだ。

 

たしかに僕も大阪に住んでいて、よく中国人を見かけるのだがかなりマナーが悪い。順番抜かしや他の人のことを考えない行動が目立つ。おそらくその国の習慣なのだろう。

 

ここでイルカが船の周りをバシャバシャ飛んでいた!なんてロマンあふれることがあればよかったのだが、なんてことはない。十五分程したら二つ目の村、マナローラへとついた。


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見た目は一つ目の村とそう変わらないのだが、ここは五つある村の中で一番大きな村であるということだ。

 

そして僕たちは船を降りた。

 

 

イタリア旅行記 その十二


目が覚めた。

 

先に言っておこう。僕は自分の部屋以外の場所ではあまりぐっすり寝ることができないのだ。

朝の3時ぐらいだったと思う。

目が覚めてしまった。

電車の中で1時間半ほど寝たので、仕方ない。

 

まだ外は暗い。

することもないのでホテルにとおっているWi-Fiを使用し、スマホでゲームをしていた。あとフェイスブックの更新だ。

こんな離れててもネットはすぐに距離を縮め多様に感じさせてくれる、ありがたいことだ。

 

朝七時ぐらいになった。

ホテルの朝食サービスが朝八時からだったが朝八時半にはフィレンツェの駅にツアーの予約をしているため、今日は朝食を諦めた。

 

ヴェネチアで買った服をそのまま着て、僕はお腹が空いた状態で駅へ向かった。まだ少し暗かった。


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集合半時間ほど前に到着した。

フィレンツェの街の自動販売機にはジュースだけでなく、チョコレートなどの食べ物を販売しているものが多いので、僕は2€を入れチョコレートを一つ買った。

 


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2€といえば280円ぐらいでなかなか高価だがまぁまぁの味だった。

 

さて、書き忘れていたがイタリア三日目の僕の行き先はチンクエ・テッレという5つの小さな漁村からなる世界遺産だ。

マナローラと調べてもらえればわかると思う。

 

僕が海外旅行に行くにあたって

「絶対に一つ田舎の方に行ってみたい!」

という願望があったので、このツアーに予約した。二人なら半額だったが、このツアーに30000円ほど払ったと思う。

後悔はしてないが……

 

 

集合場所はフィレンツェの駅の薬局前と書いてあったのだが、駅にはかなりの人がいて、周りを見渡してツアーのガイドさんを探した。

近くに白人女性が英語でチンクエ・テッレとかかれてある板を持っている。

 

この人に違いない!!

と思い、声をかけたが何を言ってるのかあまりわからず困っていた。僕も困った。

だがおかしい。ツアーのガイドさんは日本語が話せる人だぞ!?

 

そんなことを考えあたふたしていると、後ろなら日本語で

「チンクエ・テッレのツアーの方ですか?」

と聞かれた。

 

小柄な三十代の女性がそこにいた。

どうやら僕のツアーのガイドさんはこの人のようだ。

(申し訳ないが名前は忘れてしまった)

 

挨拶をして本日の日程を聞いた。

電車で移動し、一つ目の村を観光し船で移動し二つ目の村、そして電車で三日目の村へ行き、そこから電車で戻ってくるというなかなか忙しいプランだ。

 

 

僕は電車到着までホームでいろいろ尋ねた。

こちらでの生活や就職、政治のことなど…

あとは電車のこと。駅員をしているので僕はこちらの鉄道事情が気になっていた(別に僕は鉄道オタではない)

その話の中で一番印象に残っているのは、トイレだ。電車の中でトイレがあるものがあるが、イタリアの電車の中のトイレはボットン式。つまり排泄物がそのまま線路に落とされるらしい。そんな話をして線路を覗いてみると、確かトイレットペーパーが落ちていた。

日本とは違うことをまた知れた気がした。

 


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 写真を見てもらえればわかるが、線路とホームに段差があまりなかった。


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電車を待っていると、やはりお腹が空く。

こんな排泄物の話をしていても僕のお腹は空いていて何か食べたかったのだ。

ホームにも自動販売機があり、僕はそこでサンドイッチを購入した。

自動販売機の食べ物はやはり昔から男のロマンであり冒険心をワクワクさせるのだ。


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ハムとマッシュルームが入ったサンドイッチだ。

味もなかなか。美味かった。

 

 

そして電車に乗ってガタンゴトン揺られていると、僕らのボックス席に一人おばあちゃんがやってきた。

紙コップを手にし、その中にはコインが一枚入っており、紙コップを揺らしていた。

 

ガイドさんが「無視してください。ただのジプシーです」とこそっと僕に言って、そのおばあちゃんは次の席へと向かった。

どうやら、ジプシーつまりコジキ?でいいのかな?僕もあまり海外のホームレス事情は知らないし偏見になるのであまり書かないが、あちらの物欲しはえらいアクティブだなと感じた。

 

電車を何度か乗り換えて、トンネルに入った……まだかかるのかと思っていた瞬間……海が、みえた。

 


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ガラス越しなので色が変わっているのは申し訳ない。

 

そして僕は、目的の駅で降りた。

 


イタリア旅行記 その十一


ハッと目が覚めた。

電車の中で寝ていた僕は誰かに肩を叩かれて驚き目を覚ました。

そこには金髪の駅員の姿をしたポッチャリウーマンがいた。

おそらく車掌だろう。

瞬時に、乗車券か特急券を見せろという意味だと理解したので(一応僕も駅員)すぐさま、HISでもらった特急券付き乗車券を見せた。

すぐに僕にそのチケットを返して次の客のところへ車掌は向かっていった。

 


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当たり前なことなのだが僕は驚いた。

 

金髪の前髪を帽子から出した髪の毛をくくらない女の車掌がいることにだ。

 

日本人の駅員は前髪もしっかりと帽子の中に入れ、後ろの髪も短くするか丸めるかしている。

もちろん髪の毛を染めることなど御法度だ。

 

その車掌さんを思い出す度に僕の中にある当たり前の常識というのがいかにちっぽけかということに気付かされる。

「こんなことでかよ」と思う人もいるかもしれないが駅員をしている僕からしてみたら当たり前のことだったのだ。

 

この世界に常識なんて一つもなく、ただ毎日変わらないものがあるから僕らが勝手にそれを常識というものだと勘違いしているだけなのかもしれない……

 

他にもタトゥーなどもそうだ。

僕は別にタトゥーに対する偏見は全くない。

タトゥーを入れてない僕からしてみれば…

したい人はすればいいし、したくないのならしなくていい。

タトゥーしている人が海やプールに入ってはいけないというのも僕は理解できない。

 

おそろくタトゥーを入れてる人間は「威圧感がある、こわい」って感じる人は…フィクションの世界からの影響が強い、ただの妄想なのではないかと時々思うときがある。

 

話が少しそれてしまった。

旅行記に話を戻そう。

 

その車掌さんが来てから僕はすっかり目が覚めてしまった。

乗車時間は約一時間半ほど……

 

終点のフィレンツェの駅に着いた。

 

やはり改札がない。

到着予定時刻より10分ほど遅れての到着だった。

外に出ると、もう夜に近い状態で暗くなり始めていた。

 

早くホテルについてゆっくりしよう。そう思い携帯でホテルの場所をスクリーンショットしておいた画像をみて、足早にホテルに向かった。イタリアの本もスーツケースの中だったのでロストバゲージにあった僕の手元には今地図すらないのだ。

 

 駅の近くにマクドナルドがあった。ヴェネチアでもあったが、やはり同じ味なのだろうか?あまりお腹が空いていないので食べなかったが。

 

歩くこと十五分ほど、ホテルについた。

ホテルの入り口にガードマンがいる。なかなか体格のいい男の人だった。その人にホテルのチケットを見せ、中に入った。

 

中のカウンター越しに座っていたメガネをかけたベリーショートヘアの女の人にチケットを見せた。

早く休みたい…そう思っていたら…

わかりやすい英語で「大丈夫ですか?すごく疲れてるように見えます」と言ってくれた。

 

イタリアに来て初めて聞いた英語だった。

日本人の僕にもわかりやすい単語とわかりやすい発音で話してくれすごい嬉しかった。

ここでも少し人の優しさに触れた感じがした。

 

ホテルのキーをもらい三階の僕の部屋に向かった。

キーはカード式でホテルのドア部分にカードを照らすと鍵が開く仕組みだ。

 

部屋の中はすごいシンプルだった。

二段ベッド(ホテルは一人で泊まった)、タンス、鏡台、イス、それしかなかった。

僕はカメラと携帯を充電し、少し横になった。

すごいホッとした気分になった。

イタリアに来てから気を常に張っている気がしたのだ。

 

明日の朝からはツアーがあるので、僕はすぐにシャワーを浴び寝ることにした。

なぜかあまりお腹は空いていなかった。

 

夜の10時ぐらいだったと思う。

 

 

イタリア旅行記 その十


大広場まで戻ってきた僕はあまり時間がないことに気づいた。

今からヴェネチアの駅は全くの反対側なので中々遠い。

もう一度路地裏をうろうろしながら戻ることにした。


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途中で再度コープに寄って、水を購入した。

本当に喉が渇く。

夕方の五時ぐらいの電車なのだが、僕はもう乗り遅れなどの計画が崩れることを恐れ1時間半前には駅に着いた。

 


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ここに地べたにそのまま座り、足を休めていた。何か一つだけお土産を買いたいと思い、駅の中にある売店で「ヴェネチア」と英語で書かれているストラップを買った。

 

そして僕はじっと座り、電車を待った。

周りからアジア系の顔をしたカップルの中国語か韓国語が聞こえてくる。

ヴェネチアでアジア系の顔した人は少なからずいたが日本語は全く聞こえてこなかった。

 

そして待つこと一時間以上。やっと僕が乗る電車が到着した。

これに乗ってフィレンツェまで行く。

 


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僕は早速乗り込み、指定席の席へ向かった。

中々悪くないが、日本の新幹線には劣る設備だった。

ボックス席になっており、僕の席は窓側。

 

発車し、隣の席にはおばあちゃんが座り

前の席には若い十代の白人の女の子が座った。その女の子がiPhoneを触りながらハンズフリーで電話している。

これはこっちではマナー的には大丈夫なのだろうか?中国か韓国では電車内での通話は普通に大丈夫だときいたことがある。

よくみるとiPhoneの画面が割れていた。

iPhoneの画面の割れは世界共通なのかな?

 

……そんなことを考えているうちに、ウトウトしてしまっていた。

イタリアにきてから二日間で5時間ほどしか寝れていないので、疲れのピークにきたのだろう。

僕は唯一の荷物であるバックパックを両手でスられたり盗まれないようにギュッと握り、目を閉じた。